CNCフライス盤の制御用のモータはステッピングモータを使うか、サーボモータを使うか2種類があります。ステッピングモータではパルスを入力してパルス数に応じた角度を回転させます。フィードバックが無い方法です。角度がずれた場合にはずれたまんま。一方サーボモータではモータ自身にフィードバック機能があるので、指定した角度からずれた場合には戻してくれます。制御としてはサーボモータが本格的ですが、価格がとても高いです。サーボモータとサーボアンプを合わせてホビー用のCNCフライスが余裕で一台買えるぐらいの金額です。そこでステッピングモータを使うことにします。予算の問題もありますが、ステッピングモータにも良いところがあります。マイクロステップを使い、細かい角度の制御が出来るのでサーボモータよりも高い精度を出すことも出来ます。将来サーボモータへの換装もできるように取り付け角60mmのモータを選ぶことにします。ステッピングモータのメーカーではオリエンタルモータと日本サーボがありますが、入手が簡単なオリエンタルモータから選びます。
ステッピングモータには2相と5相があります。また2相にはバイポーラとユニポーラの2種類があります。CNCの制御にどのようなソフトとコントロールボードを使うかによってどれを使うか決まってきます。パソコンのソフトにUSB CNCを使いコントロールボードにオリジナルマインドのTROシリーズを使う場合には2相のユニポーラを使うことになります。パソコンのソフトにMachを使い他のコントロールボードを使う場合には様々な選択肢が出てきます。ここら辺の話は今後詳しく書きたいと思います。
とりあえず今回は現在の私のシステムを紹介してそれに準ずる形で進めたいと思います。私の現在のシステムでは
ステッピングモータ:オリエンタルモータ:
こちらのモータ、基本ステップが0.36度。リード2mmのボールネジと合わせて使うと2mm/1000step = 0.002mm = 2μmの精度が出せます。さらにドライバのマイクロステップを合わせて使うと1μmは軽く出せます。私の今のCNCフライスではリードが5mmですが、マイクロステップで1μmは出せています。このモータとモータドライバを
このボードで制御しています。このボードの購入はこちら
で話を元に戻してステッピングモータですが、CRK569を使います。CADデータはオリエンタルモータのサイトからweb2CADというサイトにリンクしているのでそちらでダウンロードできます。会員登録が必要ですが無料です。
読み込んで適当に配置して
こんな感じになりました。もう一つサイズ(長さ)が下のモータでも良さそうですが、とりあえずこれでいきます。
次にモータの軸とボールネジの軸を繋ぐためのカプラを選定します。モータの軸が10mm、ボールネジの軸が8mm。10mmと8mmのカップリングでどれでもいいんですが、イモネジで止めるタイプはスリップすると軸を痛めて最悪なのでクランピングタイプに。
CADデータをダウンロードして配置して
とこうなりました。これでY軸の基本になる部品は揃いました。ここまでで予算は
- リニアガイド 7,940円 x 2本 = 15,880円
- ボールネジ 45,270円
- サポートユニット8,670円
- ナットブラケット 4190円
- ステッピングモータ+ドライバ 39,200円
- カップリング 3,030円
今のところの小計で116,240円になりました。Y軸だけでこれですので、3軸が完成する頃には35万円。そこにフレームが入るので完成する頃には….