ボールネジの選定をします。ご存知の方もいるかと思いますが、精密切削のフライス盤にボールネジは必須です。安いホビー用では台形ネジが使われています。台形ネジの欠点はバックラッシュが構造上出てくることです。バックラッシュはネジを逆回転した時にナットが空転する事です。通常の台形ネジでは0.2mm程度のバックラッシュが存在します。バックラッシュがあると正確に図形を切り出す事が出来ません。円を描く時を考えて欲しいのですが、頂点を越えた時にバックラッシュにより誤差が出てきます。歯車の切削をした時にバックラッシュがあると誤差が累積してとんでもない事になります。ダブルナットやソフトウェア側の補正によりバックラッシュを0に近づける工夫はあるのですが、機械として0にした方が良いに決まっています。
市販のCNCフライスでもボールネジが入っっているものがありますが、ボールネジの等級が重要になります。ボールネジの等級についてはこちらのサイトに詳しく載っています。クロダ精工ボールネジの等級
等級は数字が少ないほど精度が良くなり、CNCフライスに使えるボールネジは最低でもC3級が必要ということになります。そこで以下の条件でボールネジの選定を行います。
- 等級:C3(与圧品バックラッシュ0)
- リード:2mm
- 直径:12mm
- ナット移動量 160mm+アルファ
以上の条件でミスミから選びます。ミスミ以外でも良いのですが、ミスミが安いようなので。。。NSKやTHK、クロダの方が良い気もします。そこらへんは予算に合わせて選んでください。ただボールネジには予算を注ぎ込む事をお勧めします。後で交換が簡単に出来る部分ではありません。CNCフライスの出来はこのネジの出来に大きく左右されます。ミスミのボールネジ選定ページによるとBSXシリーズという事になります。
ナット移動量は160mm+アルファ。BSXシリーズではボールネジの全長-68mmがナットの移動量になります。160+68=228mm。両端に10mm程度の余裕を持たすとして228+2×10 = 248mm。きりの良いところで250mmとしましょう。
一本で45,270円。そのぐらいはかかるということで覚悟を決めましょう。CADデータをダウンロードしてCADに読み込んでとりあえず適当な位置に配置します。
前回の記事からリニアガイドの上下を逆にしていますので、注意してください。ブロックを土台に固定しレールにテーブル取り付ける構造になります。
ボールネジはネジだけではなく両端を保持するためのサポートユニット(支持側、固定側)とナットに取り付けるナットブラケットが必要になります。
まずはサポートユニットで次の物を選びました。
CADデータをダウンロードして読み込んで
サポートユニットの上面とレールの上面を揃えてあります。
ナットブラケットを選びます。ナットブラケットはボールネジのナットと土台を接続する部品になります。
サポートユニットとナットブラケットの高さは2mmのクリアランスがあります。次の段階ではテーブルの土台になる部分と制御用のステンピングモータの選定を行います。