Z軸の原点を出すために以前の記事では紙を挟んだ方法を使っていました。その方法では小径エンドミルでは紙に食い込んで誤差が大きくなります。そこで今回は電気式の方法を試してみました。
切削物(今回はステンレス)とエンドミルにそれぞれミノムシクリップを付けます。ミノムシクリップの反対側はテスターに繋がっています。赤のミノムシクリップが切削物であるステンレスを固定しているネジに、黒のミノムシクリップがエンドミルに付いています。
エンドミルと切削物が離れている状態では9.3Ω。この電気抵抗はフレーム経由の物です。クランプ、テーブル、ボールネジ、リニアガイド、フレーム、スピンドルといった部分を通っていく抵抗です。この値ですが10Ω程度のときもあれば70Ω近くの時もありました。このままZ軸を下げていきます。USBCNCのJOG画面で0.01mmの単位で下げて行きます。
ある所で電気抵抗が1.0Ωになりました。ここがエンドミルの刃先と切削物が接触した位置になります。0.01mm上げると元の抵抗値に戻りました。すごい簡単で、今までなんでこの方法をやらなかったのだろうか?と不思議に思えるぐらいです。切削物が金属の場合は使える方法でした。