Wabecoフライス盤、モータコントロール基板の修理

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納品されたばかりのフライス盤 Wabeco FS-1200をさっそく壊してしまいました。木工ドリルの太いものを回していたら「バン!」という音とともに煙がケースから出てきて動かなくなりました。というわけで修理の記録です。
まずは正規のルートで修理出来ないかと考え買ったイギリスのお店とドイツのWabecoに問い合わせてモータとコントロール基板を送ってもらえるか問い合わせました。
Wabecoからの回答は
コントロール基板 235ユーロ
モータ 329ユーロ
送料 110ユーロ
Paypal手数料 50ユーロ
合計:724ユーロ(約82,000円)

購入したイギリスのお店からの回答は
コントロール基板 190.00ポンド + 送料15ポンド
モータ 275ポンド+送料40ポンド
合計:520ポンド(約72,000円)

どちらから買うにしろ部品の取り寄せは可能という事がわかりました。しかし高い!ということでどうしようか考えます。話のタネに部品を取り寄せて修理するつもりでしたが、Paypal手数料50ユーロと言われたのがな、なんか気に入りません。

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まずは分解したついでに作りを見てみます。モータと主軸はタイミングベルトでつながっています。モータ側のプーリーは16歯、スピンドル側は40歯。ベルト幅は19mm。

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外したモータをオリエンタルモータの40Wのモータと並べてみます。Wabecoは1.4KWという謎のモータ。

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こちらがコントロール基板。だめになった部品は茶色い部品。液漏れを起こしています。焦げ臭い匂いもしています。

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外す前にコネクタ部分に番号を書いて戻す時に間違えないようにします。

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モータの定格がわからないのですが、とりあえずDC電源をつないで回してみます。

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この電源装置では25Vまで流せました。電流がだいたい0.5A。

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回転数を測ってみます。2272rpm。このフライス盤は3000回転まで回るはず。プーリーが16/40なので7500回転まで回るはずです。

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さてどうするか?まずはコントロール基板を調べてみます。ハンダ吸い取り機を使い大きな部品を外して基板のパターンが見やすいようにしました。ヒートシンクも外しています。

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基板のパターンを調べて実体配線図を書きます。

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実体配線図から回路図にします。

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整流部分と出力のリレー部分です。

各部品は次の通りです。

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コントロール用のチップATMELのATmega8

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電圧測定かIGBTの制御に使っているらしいチップ。

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電流測定用のチップ

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逆起電力防止のファストリカバリーダイオード

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AC電源のノイズ防止のコイル。コモンモードチョークコイルというらしい。

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コイルのとなりのヒートシンクについているのがブリッジダイオード。600V 8Aの仕様らしい。

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同じくヒートシンクについているIGBT。IRG4PC30UD、これでPWM制御をしているらしい。手前の黄色いのはポリスイッチ。通常はこれで電流を制限しますが、これはIGBTと並列に入っています。

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で、これが壊れた部品。AC100〜240Vの入力でDC12Vを作る部品。RSで1200円で買えました。今回の修理ではまずこの茶色い部品を交換します。inputが交流100〜240Vで出力が直流12Vという便利な物。交流から直流12Vを作ってくれてこのサイズと価格。他でも使えそうです。今回の故障の原因はモータに負荷がかかりこの部品の入力側に過電流が来たのではないかと考えています。で壊れた部品を取り外して交換しました。

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部品交換したらあっさりと回りました。

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モータを戻して、配線して、カバーして修理完了です!

追記:
ポリスイッチがIGBTと並列に入っている謎の仕様ですが、多分このポリスイッチは電源投入直後にモータを高回転で回すためかなと。このフライス盤は主軸を回転させると一瞬だけ高速回転してその後にダイヤルで設定した回転数に落ち着きます。ポリスイッチが作動するまでは最高速度をめがけて回転、ポリスイッチが動作後はIGBTでの制御に入る、ということなのかな?と考えています。
最初からマイコンを使ってIGBTで電流を制限しても良さそうですが、マイコンを使う前の制御基板の設計との整合性とかなんかとかあったのかなと考えています。