Y軸はリニアガイドのレールをテーブル側(動く側)に固定し、ブロックを土台に付けて固定側にします。ボールネジの両端を支えているサポートユニットがテーブル側に付き、ナットブラケットが下の土台に固定することにします。
月別アーカイブ: 2016年3月
CNCフライスの設計 3.ステッピングモータの選定
CNCフライス盤の制御用のモータはステッピングモータを使うか、サーボモータを使うか2種類があります。ステッピングモータではパルスを入力してパルス数に応じた角度を回転させます。フィードバックが無い方法です。角度がずれた場合にはずれたまんま。一方サーボモータではモータ自身にフィードバック機能があるので、指定した角度からずれた場合には戻してくれます。制御としてはサーボモータが本格的ですが、価格がとても高いです。サーボモータとサーボアンプを合わせてホビー用のCNCフライスが余裕で一台買えるぐらいの金額です。そこでステッピングモータを使うことにします。予算の問題もありますが、ステッピングモータにも良いところがあります。マイクロステップを使い、細かい角度の制御が出来るのでサーボモータよりも高い精度を出すことも出来ます。将来サーボモータへの換装もできるように取り付け角60mmのモータを選ぶことにします。ステッピングモータのメーカーではオリエンタルモータと日本サーボがありますが、入手が簡単なオリエンタルモータから選びます。
CNCフライスの設計 2.ボールネジの選定
ボールネジの選定をします。ご存知の方もいるかと思いますが、精密切削のフライス盤にボールネジは必須です。安いホビー用では台形ネジが使われています。台形ネジの欠点はバックラッシュが構造上出てくることです。バックラッシュはネジを逆回転した時にナットが空転する事です。通常の台形ネジでは0.2mm程度のバックラッシュが存在します。バックラッシュがあると正確に図形を切り出す事が出来ません。円を描く時を考えて欲しいのですが、頂点を越えた時にバックラッシュにより誤差が出てきます。歯車の切削をした時にバックラッシュがあると誤差が累積してとんでもない事になります。ダブルナットやソフトウェア側の補正によりバックラッシュを0に近づける工夫はあるのですが、機械として0にした方が良いに決まっています。
CNCフライスの設計 1.リニアガイドの選択
最近、CNCフライス盤の設計について問い合わせが増えてきました。ホビー用ではスペックに不満がある。しかし工業用は買えない。というマニアな方々に私のフライス盤はささっているようです。そこで、設計の手順を紹介したいと思います。連載形式で気長に書いていきます。
まずは基本仕様ですが、全軸リニアガイド+ボールネジ。X軸とY軸の移動量は150mm程度。Z軸は100mm程度。切削はアルミ、真鍮、鉄(SS400、S45Cなど)、ステンレスが可能な仕様。重量は100kg以下、個人で設置可能な重量。基本は私のフライス盤と同じですが、サイズは扱いやすいようにコンパクトにします。